2016年6月20日開催
UNHCR / ジャパン・プラットフォーム共催シンポジウム
「シリア危機:人として - 分かちあう責任」
おかげさまで満席となり盛況のうちに終了いたしました。
ご参加いただいた皆さま、関係者の皆さまに心より御礼申し上げます。
イベントレポート
当日資料:JICA、JPF、JAR、ファースト・リテイリング、J-FUNユース
関連プレスリリース
JPF「イラク・シリア難民・国内避難民支援」について
世界の人道状況は大変厳しい局面を迎えています。紛争や迫害から逃れ、家を追われた人々の数は、第二次大戦以降で過去最大※1となっています。なかでもシリアをめぐる情勢は、最も複雑かつ動的な人道危機といえます。2011年3月以来、480万人以上※2がシリアを離れることを余儀なくされ、650万人以上が国内避難民※3となり、多くのシリア難民が庇護を求めて欧州を目指し、命の危険をおかして地中海を渡っています。
紛争が長期化し将来の展望が描けず、避難先での生計手段や教育機会が限られるなか、たくさんの難民・避難民が疲弊しています。一方、避難生活が長期化するにつれ、難民受け入れ国にとっても負担が大きくなっています。難民に対する不満が増し、その存在が治安悪化やその他の社会問題と混同されはじめ、政治問題として難民が語られるようになってきています。
“難民”とはどのような人々なのでしょうか。私たちにはどのような支援が求められているのでしょうか。
シリアや周辺国における人道支援や開発援助がこれまで以上に必要とされる一方、避難する人々の保護を可能にする、新しい支援のあり方や、今まで人道支援に関わりの少なかった新しいアクターの参加、関わり方が求められています。寛容、連帯、多様性の尊重など、難民保護における基本的原則を維持し、誰も置き去りにされない社会について考えていく必要もあります。
UNHCR/JPF共催 第4回目となる本シンポジウムでは、学識者、NGO、政府や国連機関だけでなく、難民、企業、メディア、学生、市民社会などを交え、「寛容、連帯、多様性の尊重の問題」、「日本と国際社会によるシリア難民・避難民支援」、「新しいアクターによる創造的アプローチ」、そして私たちが人として分かちあう責任について、議論を深めていければと思います。皆様のご来場をお待ちしています。
セルビアの国境を超え、ハンガリーの古い線路を歩く難民。©UNHCR/Mark Henley
シンポジウム概要
- 日時
- 2016年6月20日(月)14:00-17:20(受付開始 12:30 / 開場13:00)
- 会場
- 国連大学、ウ・タント国際会議場
- 言語
- 日本語、英語 (同時通訳あり)
- 定員
- 300人(先着順)
- 参加費用・
申込み方法 - 無料・要事前予約
事前の参加お申し込みを締め切りました。会場にて皆様のお越しをお待ちしております。 - 主催
- 国連難民高等弁務官事務所/ジャパン・プラットフォーム
- 後援
- 外務省(調整中)
スケジュール詳細(6月17日更新)
開会・来賓挨拶(14:00~)
開会挨拶: 柴田 裕子(JPF海外事業部長)
体験型アクティビティ
第1部:(14:30~)
基調講演 「難民保護と人道支援における寛容、連帯、多様性の尊重」
最上 敏樹 (早稲田大学 教授)
第2部:難民保護・人道支援の活動報告(14:50~)
- 「シリア危機に対する日本の人道的貢献」
廣田 司(外務省 緊急・人道支援課長) - 「シリア危機に対するJICAの開発援助」
宮原 千絵(国際協力機構(JICA) 中東・欧州部次長) - 「シリア危機に対する国際的保護活動」
小尾尚子(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日副代表) - 「JPFによるシリア危機対応」
月岡 悠(JPFプログラム・コーディネーター) - 「日本におけるシリア難民の保護・受入れ」
石川 えり(難民支援協会(JAR)代表理事)
第3部:パネル・ディスカッション – 分かちあう責任 – 創造的アプローチに向けて(15:50~)
- 渡部 正樹(国連人道問題調整事務所 (OCHA) 神戸事務所長)
- 新田 幸弘(ファースト・リテイリング グループ執行役員)
- 土井 敏邦(ジャーナリスト / 「危険地報道を考えるジャーナリストの会」メンバー)
- 酒師 麻里(J-FUNユース 事務局長)
- カディザ・べゴム(難民高等教育(RHEP)プログラム卒業生)
- 小美野 剛(CWS Japan 事務局長)
質疑応答
閉会挨拶(17:20~)
閉会挨拶: ダーク・へベカー(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表)
当日、会場にて、中東・アフリカでの人道支援に長年携わってきた田邑恵子氏による写真展「食卓を囲むシリアの家族」と、国際難民支援会(RIJ)による「難民コレクション」を開催します(当日受付開始12:30~ご覧いただけます)。
「食卓を囲むシリアの家族」
難民キャンプのテント内で作る伝統料理、欧州への逃避行中の食事、新婚カップルの手料理など、新聞やテレビでは伝えられないシリアの人々の日常生活を垣間見ることは、紛争の前は私たちと変わらないような生活をしていた彼らが自分と重なる体験となるかもしれません。
「難民コレクション」
タイ、ケニアやソマリアで難民から寄付された持ち物を展示します。一つひとつに提供者の名前と年齢、出身地に加え、その品に込められた難民の物語が記されています。黒ずんだ歯ブラシ、壊れたラジオ、古びたサンダルなどを通して、持ち主の様々なドラマを感じとる機会となれば幸いです。
※1 UNHCR Global Trends Forced Displacement in 2014
※2 http://data.unhcr.org/syrianrefugees/regional.php
※3 http://www.unocha.org/syria
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)について
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR: United Nations High Commissioner for Refugees) は、スイスのジュネーブに本部を置き、世界の難民の保護と支援を行う国連機関。UNHCRは国連総会によって設立され、1951年に活動を開始した。UNHCRの支援対象者は難民以外にも、庇護申請者、帰還民、無国籍者、国境を越えずに避難生活を続けている相当数の国内避難民を含む。設立以来、UNHCRは5,000万人以上の生活再建を支援し、1954年と1981年にノーベル平和賞を受賞した。現在では、5,495万人以上(2014年末時点)の迫害や紛争によって移動を強いられた人々を支援するため、125カ国以上において活動している。UNHCR駐日事務所は、主要な拠出国である日本政府、現場で活躍するNGO、JICAなどの援助機関、企業や市民社会とともに、国内外の難民・避難民の支援に努めている。
ジャパン・プラットフォーム(JPF)について
日本の緊急人道支援の新しいしくみとして2000年に誕生した中間支援団体。NGO・経済界・政府などが対等なパートナーシップのもとに連携し、迅速かつ効率的に国内外の緊急支援を実施するため、日本のJPF加盟NGOを様々な形でサポートしている。設立以来、総額400億円、約1200事業、47の国・地域での支援実績、企業とNGOの協業の促進、しっかりとした活動報告により信頼を築いてきた。各得意分野を持つ46のJPF加盟NGOと情報を共有し、ともに支援プロジェクトをつくる。民間から総額70億円以上が寄せられた東日本大震災支援では、被災県の地域連携・中間支援組織とともに地元NGOをサポートし、復興への体制整備に貢献している。