スリランカ人道支援
本支援活動は終了しました。
スリランカ人道支援について
2009年1月1日
対応計画
2008年7月11日
魚網製作訓練の様子 |
ソーシャルワーカーによる心理カウンセリングの説明 |
1. 背景
1983年以降20年以上にわたり、スリランカ北・東部を中心に居住する少数派タミル人の反政府武装勢力が分離独立を目指して活動しており、政府側との間で内戦状態となっていました。2002年2月にノルウェー政府の仲介により停戦合意が成立し、昨年双方の武力衝突が再燃し、停戦が事実上破棄された状況にあります。
スリランカ東部では2004年12月の津波により3万人近くが死亡するという被害を受けました。復興途中の2006年8月より政府軍とゲリラとの戦闘が激化し、2.1万人が再度避難民になっています。2007年3月には新たな国内避難民(IDP)の数はスリランカ全土で30万人を超えました。
その後政府軍が東部地域を完全に制圧し、自発的又は政府主導による国内避難民の帰還が始まり、2008年1月までに約11万人が元の居住地に戻りました。しかし、戦闘の被害を受けた元の居住地では、家屋、漁業や農業等の生業、インフラ等が大きな被害を受け生活再建のめどがたっていません。政府・援助機関はこうした帰還国内避難民への緊急支援(食糧、生計回復等)を呼びかけています。
また2008年1月に政府が停戦合意を正式に破棄したことにより、状況の更なる悪化が懸念されるなか、政府軍の北部侵攻により新たに数十万人の避難民が発生すると予想されており、東部が最大の避難民受け入れ地域になると考えられています。
2.JPFの対応状況
スリランカ北東部を中心として多数の難民、国内避難民および死者を生み出した深刻な状況に関してジェン(JEN)から出動趣意書が出され、2007年6月22日に出動が決定しました。JENは、東部地域において、紛争によって国内他地域に避難し生計手段を失った帰還民が、もとの生活を取り戻すことができるように、生活再建支援を目的として緊急対応1期支援の事業を行いました。更に第1期支援に引き続き2008年4月からバティカロア県にて、2事業目の帰還民支援事業を始めました。国際平和協力センター(IPAC)は、スリランカ北西部において緊急人道支援ニーズ調査及び生活支援を視野に入れた初動調査を実施しました。セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)は、子どもの基礎教育支援を視野に入れた北東部の国内避難民キャンプと帰還民世帯の支援ニーズ調査を行いました。更に、調査の結果を受け、2008年5月に就学前教育の支援をトリンコマレ県で始めました。
これまで3団体により5事業、計86,637,891円の支援が行われています。
3.支援における特徴
治安の悪化
現在、スリランカの首都コロンボ市内ではテロが続発しており、治安が非常に悪化しています。それを受け、事業地の出入りが許可制となり、今後更に移動に厳しい制限が課されることが予想されています。また、急激なインフレに加えて食糧・石油価格の高騰が市民生活を直撃しています。
津波の被害
事業対象地はスマトラ沖大地震及びインド洋津波の被災者も多く、津波からの復興もままならぬまに紛争の被害を受けるという二重の被災により、経済面、健康面だけでなく、コミュニティーの再建にも困難をきたしています。ジャパン・プラットフォーム参加NGOは心のケアやコミュニティー強化、生活再建支援、子供の教育と多彩な支援活動をおこなっています。