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NGO能力強化研修プログラム

2016年2月29日~3月4日、「INEE教育ミニマム・スタンダード・トレーナー養成研修」を米国・ワシントンD.C.にて開催

イベントレポート

Session15: Training & Adult Learning

「学びの理論:効果的な学びを提供するために」

セッション15は、INEEのディレクターとの別れから始まりました。彼は多忙の中、本研修のためにバスでニューヨークからDCに駆けつけ、研修中ずっと我々と行動を共にしていました。研修の重要性を認識しているからなのでしょう。

学びの理論:効果的な学びを提供するために

このセッションでは、研修において参加者(主に大人)がどのように学ぶのかということをテーマに、講義とディスカションを行いました。まず参加者に「どのような学びの体験が効果的か」という問いが投げかけられると、参加者からは、ロール・プレイや体験型ワークなどが挙げられました。その後、ファシリテーターからデービット・コルブの経験学習サイクル(Kolb Learning Cycle、下図参照)が紹介されました。これは、具体的体験(Concrete Experimentation)、省察的観察(Reflective Observation)、概念化(Abstract Conceptualization)、新たな実践(Action Experimentation)という4つの活動をこなしていくことで学びが深まるという理論です。体験、省察、理論化、実践を繰り返すことで実践の質を高めていく考え方と言えるでしょう。

学びの理論:効果的な学びを提供するために

「The Experiential Learning Cycle」、SimplyPsychology、
http://www.simplypsychology.org/learning-kolb.html、2016/7/11引用

コルブの学習ステップに関連して、学習者は、Activists、Reflector、Theorist、Pragmatistに分類出来るという説明もありました。つまり、学習者それぞれの分類クラス(傾向)に沿って、研修内容を調整する必要があるとのことです。例えば、Activistが参加者に多い場合は体験型の作業を増やし、Reflectorが多い場合は思考のための時間を多くとるなどの工夫が出来ます。

学びの理論:効果的な学びを提供するために

次に、どのような刺激・活動が参加者の学びを活性化するかという点を議論しました。ファシリテーターは研修を実施する際に、運動感覚(Kinesthetic)、音声感覚(Audio)、視覚(Visual)、書く・読む(Writing/Reading)といった様々な刺激・活動を活用できます。今回の研修参加者に関して言うと、先の学習者の4つの類型においても、好みの刺激・活動においても、個々人の傾向は多様でした。研修を実施する際には、学習者の傾向や多様性に配慮して、様々な働きかけを柔軟に組み合わせることが有効なのでしょう。

小松 太郎
上智大学(Sophia Univ.)

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イベントレポートの目次一覧

イベント概要

ジャパン・プラットフォーム(JPF)は、「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」(※)の一環として、「INEE教育ミニマム・スタンダード・トレーナー養成研修」を、来年2月29日~3月4日の日程で米国・ワシントンD.C.にて開催します(共催:米国NGO団体Mercy Corps)。

これは、昨今の世界情勢や緊急人道支援の性質と傾向、また以前よりJPF加盟NGOから寄せられていたトレーニング開催への高い要望を鑑み、JPFが教育分野における国際的なミニマム・スタンダード(INEE)についての学習機会の提供を模索してきた結果によるものです。
本研修参加者は研修終了後、トレーナーとして年度内に日本にて約2日間の研修を実施していただくことになります。よって、緊急教育支援に従事した経験を持ち、かつ日本での普及活動に意欲的な方を対象に開催すべく、研修内容や参加者の応募資格、条件等については鋭意調整中です。詳細決定次第、随時ご案内いたしますが、ご関心のある方は直接下記窓口までお問い合わせください。

INEE教育ミニマム・スタンダードとは:
緊急教育支援の情報ネットワーク(Inter-Agency Network for Education in Emergency : INEE)が策定した緊急時の教育におけるミニマム・スタンダードです。INEEの運営には、UNHCE、UNICEF、UNESCO、USAID、World Vision Internationalなどが入っており、国際的に認知されている基準です。本スタンダードは、ハリケーン・台風・地震・洪水などの「自然災害」と紛争や内戦によって引き起こされた「複合的な緊急情勢」に緊急的に対応するために設計されており、現在170ヶ国で使用されています。

参考:

INEE
http://www.ineesite.org/en/

INEEミニマムスタンダード
http://toolkit.ineesite.org/toolkit/INEEcms/uploads/1012/INEE%20MS%20Japanese_2010.pdf

内閣府HP:緊急時の教育のための最低基準とは
http://www.pko.go.jp/pko_j/organization/researcher/atpkonow/article033.html

※「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」について:
「TOMODACHI NGOリーダーシップ・プログラム」とは、米日カウンシル(US-Japan Council)主導のTOMODACHI イニシアチブ、ならびにJ.P.モルガンの支援を受け、JPFが米国のNGO団体マーシー・コー(Mercy Corps)とのパートナーシップのもとに実施している研修事業です。東日本大震災におけるNGOの支援活動から得られた貴重な経験や教訓を活かし、日本のNPO/NGOが国内外でより効果的な人道支援活動を行うための能力強化を目的としており、2013年4月~2016年3月までの3年間で、人道支援に関するさまざまな研修を計画、実施しています。

研修概要

期間
2016年2月29日(月)~3月4日(金)
※この日程には、出発・帰国日は含まれていませんのでご注意ください。
渡航先
米国・ワシントンD.C.
費用
無料
※米国往復航空運賃(上限あり)、ESTA(渡航認証)申請費用、研修期間の保険料、米国国内宿泊費、日当(注)はJPFが負担します。
注)日当はMercy Corpsの規定額に基づき、米国ドルで支給されます。
定員
日本人10~15名 (外国からの参加者複数名)
※厳正な審査の上、参加者を決定します。
言語
英語

本件に関するジャパン・プラットフォーム(JPF)についてのお問い合わせ先

特定非営利活動法人(認定NPO法人)ジャパン・プラットフォーム

NGO能力強化研修プログラム担当:鈴木、谷口
E-mail:training@japanplatform.org
〒102-0083 東京都千代田区麹町3-6-5 麹町GN安田ビル 4F
TEL:03-6261-4751(事業部直通) 代表:03-6261-4750 FAX:03-6261-4753