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戦略的アカウンタビリティのフレームワークを用いての
アカウンタビリティ・システムの構築を目指して
−ジャパン・プラットフォームの事例−
関西NGOヒアリング結果
■ ヒアリング概要
日 時:2006年3月6日(月) 19:00〜21:00
場 所:NICCO京都事務所
参加者:折居(NICCO事務局長)、川端(JAFS評議員)、岡(JIRD隊員)、安随(JIRD隊員)、谷口(JPF)、金の計6名
■ ヒアリング内容総括
全体内容としては、ステークホルダーとの関係における外務省、経済界以外の組織とのつながりの弱さ、計画と結果の整合性を重視する現在の報告スキームの問題点など、これまで行った第1回ワークショップや関東でのNGOヒアリングと類似する点が多々あった。 関西NGO特有の視点および問題点については、以下のとおり、大きく3点が上げられた。
■ 関西NGO特有の視点および問題点
- 失敗事例の報告スキームの必要性
計画と結果の整合性を重視する現在の報告スキームには問題があるが、成果重視の報告スキームに傾倒することが、必ずしも適切なアカウンタビリティ活動であるとは考えない。本当の意味での責任説明を果たすのであれば、現地での支援活動における「失敗事例」までを含めた活動報告をすることが望ましい。
また、JPFスキームによる緊急支援においては、公的資金による支援の比率が高いのが現状である。しかし、外務省および外務省のステークホルダーでもある財務省や会計監査院などの公的機関と、一般市民に対する報告については、その内容および手法において差別化すべきだと考える。
特に「失敗事例」に関しては、一般市民になぜ失敗に至ったかの背景や経緯を説明することにより、現地での緊急支援活動の特異性を広く認知してもらうことが可能だと考える。
- 関西におけるJPF広報活動の必要性
関西ではJPFのスキーム自体に対する認知度が依然低く、間違ったイメージを持つ一般市民およびNGO団体が多く存在するのが実状である。
JPF参加団体として、アカウンタビリティの視点に立った広報活動を推進することは重要だと考えるが、まずは広報活動を通じてJPF自体に対する理解を深めてもらう必要がある。
一般市民の認知度が向上すれば、JPFに参加する関西NGOの増加につながり、ひいては、外務省や経済界による資金提供が拡大するという好循環が生まれると考える。
また、関西では活動報告会を行う際、地方紙などのメディアに取り上げられる機会が多く、これは関東にはない優位性だと考える。今後は関西でもメディア懇談会を開くなど、この優位性を活かした広報戦略を組み立てることが望ましい。
- JPFと関西NGOの関係性強化
関西NGOは地理的な制約があるため、評議会や理事会などに常に参加できず、JPFの動向に関する情報をリアルタイムに得るのが困難な状況にある。今後は定期的(2ヶ月に1度の予定)にJPF事務局のスタッフが関西を訪問することになっているが、最も望ましい形は関西にもJPF事務所が設置されることである。
また、資金獲得という観点では、組織のトップ同士による合意や、担当者同士の信頼関係が醸成された上で達成されることがあるので、このようなインフォーマルなスキームの改善点をJPF事務局および関東NGOと議論することが望ましいと考える。
以上
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