ジャパン・プラットフォーム(JPF)では、
皆さまからのご寄付と政府拠出金を活用し、加盟NGOを通じて
ウクライナとその周辺国で総額約40億円の支援を実施してきました。
しかし、先行きが見えない中、多くの人々が長期にわたる避難生活を強いられており、
さらなる支援のニーズが明らかになっています。
2月21日(火)開催 オンライン生配信
緊急シンポジウム【特別企画】
ウクライナ危機
~侵攻から1年。支援のいまとこれから~
アーカイブ配信中 詳細はこちら
- ウクライナ・イルピンでの食糧・生活必需品の配布の様子 ©ADRA Japan
- 学用品の支給を受けたウクライナ避難民の子どもたち ©PLAN
ウクライナ避難民のいま(※)
その一方で、周辺国の中でも、
もともと国内総所得が低く、
十分な資金援助を受けれずに
経済的に弱い国に対する支援も必要。
先が見えない状況で他国に避難するのは、本当に大変なことです。
ウクライナの方が避難先で安全な生活を送れるよう活動していきます。
第二海外事業部
吉野 佳世さん
私が駐在するルーマニアでは、ウクライナからの避難民の方が約7万人いると言われています。行政が提供する公営住宅や使われていない個人の住宅に滞在しているため、初期に比べてよりコミュニティに入りこみ、周りからはその存在が見えなくなりがちです。存在が見えなくなってしまうと、孤立し支援が届かなくなる懸念があります。
また、ウクライナの孤児院の子どもたちとスタッフが安心して安全に暮らせるようルーマニアに避難させる活動も積極的に行われています。先が見えない状況で他国に避難するというのは、本当に大変なことです。ウクライナの人々が避難先でも安全で尊厳のある生活を送れるように活動を続けていきます。引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。
戦禍においても、人々の生活が停止することはありません。
安全かつ尊厳を持った生活ができるよう援助を行うことが重要だと感じています。
海外緊急人道支援担当
芦田 雄太さん
ウクライナ侵攻が報じられた際、私はタイに駐在中で、ミャンマーからの避難民対応を担当していました。度重なる人道危機を目の当たりにして今後世界はどうなってしまうのかと大きな不安を感じたのをいまでも覚えています。
2022年4月に一次調査としてポーランドとモルドバに赴いた際には、多くの避難民が周辺国に流入しており、特にポーランドの首都であるワルシャワのホテルや交通機関はウクライナからの避難民の方々であふれかえっていました。ウクライナでは連日のミサイル攻撃によって多くの人々が被害を受け、生まれ育った地を追われています。軍事侵攻からすでに1年近くが経過していますが未だ停戦の兆しは見えず、援助機関やコミュニティにも援助疲れが見受けられます。
戦禍においても人々の生活が完全に停止することはありません。ウクライナおよび周辺国で避難民の方々が困難な状況においても、安全かつ尊厳を持った生活ができるように援助を行っていくことが重要だと感じています。
国内避難民について(※)
-
脆弱な人がいる世帯
(高齢者、既往症、障がい者、子ども、妊婦など) 75% -
経済的理由から食料・生活用品を
買い控えている人 60%以上 -
十分な食事を摂ることが
できていない人 50% -
貯金を
使い果たした人 42% -
満足に医療を
受けられない人 50% -
国外への避難の意思を持つ
国内避難民の割合 33%(22年10月)→11%(22年11月)
※:IOM Ukraine-Internal Displacement Report-General Population Survey Round 11 (25 November-5 December 2022)
ウクライナに留まろうとする避難民が多くなっています。
遠く離れた日本で、ウクライナを想う方々が沢山いることを、
支援を通して伝えたいと思います。
事業部
山崎 可蓮さん
ロシアがウクライナ侵攻を開始したとほぼ同時に、団体内ではすぐさま支援の話が持ち上がりました。刻一刻と変化する戦況を見ながら、付いていけない程速く事態は変わっていきました。私は当時、国際協力に関わりはじめて間もなかったのですが、そんな状況でも、支援を実施せずにはいられませんでした。初動の調査を終え、案件形成のために戦禍にある現地の人々との調整を行い、10月にやっとの思いでルーマニアに赴任しました。
侵攻後、1、2カ月後に聞いていた状況とは違い、ルーマニアとウクライナの国境付近で避難民をサポートしていた支援団体のテントは、殆ど姿を消し、ウクライナからルーマニアに逃げてくる車の長蛇の列もありませんでした。越境して国外へ避難するよりも、自分の国に留まろうとする避難民が多くなっていることを感じました。昨年末から続く電力不足でウクライナでは冬の寒さが強烈に避難民を苦しめています。遠く離れた日本で、今も、ウクライナを想っている方々が沢山いることを、支援を通して伝えたいと思います。
周辺国の避難民について(※)
- 女性で60歳以下 90%弱
- 家族関係にない子どもを連れて避難 約5%
- 家族と分断されて避難 約80%
-
帰国したいが時期は未定現時点で帰国を考えていない
10%以上
60%以上
※:UNHCR Ukraine Refugee Situation (May-August 2022)
言葉の通じない場所で初めて暮らすお年寄り。
赤ちゃんを連れて避難生活を送る女性。
転院先を求めて避難したがん患者のお母さんと娘さんー。
ひとりひとりが、大きな困難と不安を抱えて避難生活を送っています。
国際事業コーディネーター
鈴木 郁乃さん(左)
昨年2月のウクライナ全土への攻撃の開始を受け、PBVではルーマニアにある複数のパートナーNGOとともにウクライナとルーマニアでの支援活動を実施してきました。支援活動の実施・継続にあたっては、本当に多くの個人・団体の皆様にご協力を賜り、誠にありがとうございます。
戦争により、言葉の通じない外国で初めて暮らすことになったお年寄り。家族と離れて、生後間もない赤ちゃんを連れて避難生活を送る女性。国内の病院での治療が受けられなくなり転院先を求めて避難してきたがん患者のお母さんと娘さん。避難先で、自宅が攻撃され、もう帰る家が無くなったことを知った家族。ひとりひとり、大きな困難と不安を抱えて避難生活を送っています。
皆様からの引き続きのご支援、どうぞよろしくお願いいたします。
ウクライナから避難した人の声
私の家に、街に、帰りたいです。
この世で、家と平和以上のものはありません。
ルメンツオヴァ・ラリーサさん
(ミコラエフからモルドバへ避難)
支援ニーズについて(※)
-
- 現金
-
67%
-
現金により、厳冬を乗り切るために
必要な薪なども調達できる。
避難民の尊厳を守り、
市場経済を守るためにも重要な手段。
-
- 衣料・生活用品
-
31%
-
- 月経用品
-
43%
-
- 暖房器具
-
29%
-
- 医薬品・医療
-
25%
※:国内避難民の支援ニーズ
※:IOM Ukraine-Internal Displacement Report-General Population Survey Round 11 (25 November-5 December 2022)
栄養不足で多くの妊産婦と子供がビタミン欠乏症になっています。
ロシア軍による空襲の中、作業が中断することもしばしばですが、
ビタミン剤が必要な人に届くよう頑張っています。
JADE 緊急開発支援機構
ウクライナ事業担当 田中さん
当団体は5年前よりウクライナ内戦の支援に関わり、昨年2月のロシア軍による侵攻はウクライナの状況がさらに悪化することが明らかなので大きなショックを受けました。戦争による大量の難民と国内避難民の発生はウクライナ経済社会に深刻な影響を与え、難民・避難民キャンプでの生活が長引き、社会が分断されてコミュニティーとして存続が出来なくなっています。これは紛争が長引けば長引くほど悪化すると心配されます。
この戦争により医療制度が崩壊する中、満足な食事が取れないために栄養不足で多くの妊産婦と子供がビタミン欠乏症になっています。このため、ウクライナ西部の街で、国内避難民の妊産婦と子供の栄養改善としてビタミン剤の配布をしています。毎日、ロシア軍による空襲の中、事業を進めるのは非常に危険で、作業が中断することもしばしばです。それでも、ビタミン剤が必要な人々に届くように頑張っています。ご支援ありがとうございます。
経済的困窮や子どもの教育は母親にとって大きな心配事です。
それでも、先の見えない避難生活を、母国を信じて
たくましく送っている女性が多いことに驚かされています。
プログラム部
山形 文さん
昨春、ウクライナ避難民支援のためルーマニアに現地事務所を立ち上げる際、1か月ほど現地に滞在しました。避難民の方々をはじめ政府関係者、現地提携団体と接し、複数のセクターにわたる圧倒的な支援ニーズを目の当たりして事業形成に至りました。
ルーマニアではウクライナ避難民のほとんどは女性と子どもです。先の見えない避難生活を、母国を信じて強く、たくましくおくっている女性が多いことに驚かされています。しかし一方で避難生活がさらに長引いた場合の経済的な困窮や子どもの教育は多くの母親にとって大きな心配事となっています。時間とともに変わっていく避難民のニーズに応える、継続的で柔軟な支援が求められていると思います。ウクライナ避難民を含む現地スタッフと協力して支援活動に取り組んでまいります。日本の皆様には、引き続きご支援とご理解をいただけましたら幸いです。
2023年度
JPFの支援計画について
加盟NGOからは、
総額 約50億円の支援ニーズが
確認されている。
ウクライナ国内 | 周辺国(モルドバ・ルーマニア) | |
---|---|---|
教育
|
学校向け学習教材の配布 遠隔学習機材の提供 メンタルヘルス・心理社会的支援 等 |
教育施設の整備 対面・オンライン教育の支援 語学・就労の支援 等 |
食料・NFI
|
食料・NFIの配布 | 食料・生活必需品の現物支給 |
保健・医療
|
医療施設への医療品や機材の提供 コミュニティへの医療品・物資提供 心理的応急処置・医師の能力向上研修 等 |
障碍者や高齢者等への医療提供 |
シェルター
物資配布 |
現金給付
燃料・暖房器具を含む越冬物資支援 住居・生活必需品の提供 等 |
現金給付 宿泊場所の提供 受入れホストコミュニティへの支援 等 |
保護
心理的支援 |
ウクライナからの退避支援 性的搾取・ハラスメントからの保護 等 |
避難民・ホストコミュニティへの心理的支援 等 |
調査
モニタリング |
実施事業のモニタリング | 実施事業のモニタリング |
※現時点での計画であり、支援内容は変更の可能性があります。
長期化する危機により、避難者の疲労を耳にすることも多いです。
支援者の皆さま、今後も息の長いご支援をよろしくお願いします。
事業部海外事業課
高橋 睦美さん
皆さまの日ごろからの温かいご支援に感謝申し上げます。私は、昨年の12月から隣国スロバキアに赴任しています。今回ウクライナ事業の担当になる前は海外開発事業の担当をしており、「私に海外緊急支援の駐在が務まるのか」という不安な気持ちもありました。現在はスロバキア支部・ウクライナ支部とともに、最終裨益者のことを考えながら、日々スピード感を持って行う事業管理にやりがいを感じています。
先日、スロバキアに避難しているウクライナ避難民の方に話を聞く機会がありましたが、収入が無い中で1日3食きちんと摂れていない方がいることや、異国の生活の中でとにかく話を聞いてくれる相手が欲しいと思っている方々がたくさんいることが分かりました。スロバキアで日々活動を行う中でも、長期化するウクライナ危機における支援疲れ、避難者の疲労を耳にすることが多いです。危機発生から1年が経ちますが、今後も日本の支援者の皆さまの息の長いご支援をよろしくお願いいたします。
これからも、弱い立場にある人々を守るため、
現地のニーズに沿った支援に力を尽くしていきます。
現地から求められる多様な支援ニーズに対応するためには、
皆さまの緊急のご支援が必要です。
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- 口座名義
- 特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム
- フリガナ
- トクヒ)ジャパンプラットフォーム
- ※通信欄に「ウクライナ人道危機2022」とお書き添えください。
- ※恐れ入りますが、振込手数料をご負担ください。
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寄付による支援
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ポイントによる寄付
寄付による支援の方法
「ウクライナ人道危機2022」
寄付金専用銀行口座
- 銀行名
- 三菱UFJ銀行
- 支店名
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- 口座種類
- 普通
- 口座番号
- 1756525
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