アフガニスタン復興NGO東京会議
地域別分科会アピール
(和文要約)
[E]東部 カブール周辺

 〈1〉地域の特徴
   カブールは過去10〜12年間の内戦の被害を大きく受け、3万人が犠牲となった。人口は流入・流出を繰り返しかつての70万人から300万人に増えた。うち半数の150万人が支援を必要としている。インフラストラクチャーの3割が完全に破壊され、3割が修復を必要としている。飲料水不足、衛生維持、地雷、干ばつ、治安の問題も深刻である。雇用機会が少なく移出する人も多い。カブールの灌漑・保健・教育システムは大打撃を受けている。9月11日以降、国際NGOの多くはカブールを離れた。現在はアフガンNGOの拠点となっている。
 〈2〉目的
 
  • 農業、灌漑、教育、保健、通信の分野における短・中期的な計画を立てる。
  • 治安回復後、市民や難民が生活を再建するための中・長期的な計画を立てる。
  • ドナーや支援機関の協力を求む。

 〈3〉ニーズ
 
  • ベーシック・ニーズの充足
  • 女性の社会参画促進
  • 人材育成
  • 雇用創出
  • インフラ復旧
  • 文化保護
  • 天然資源の保護と管理
  • 保健
  • 帰国アフガン人の受け入れ体制整備
  • カブールの人口増大問題対策
  • 農業・畜産の活性化
  • 地雷除去および平和構築

 〈4〉提言
  (01)ベーシック・ニーズ(衣食住)の充足
(02)教育(国立の教育施設の再建)
(03)人材育成(職業訓練、女性の社会参画促進、雇用創出、公共事業の実施、民間部門の活性化)
(04)インフラ復旧(家屋、道路、通信手段、病院、大学、学校、下水道)
(05)文化保護(史跡の保護、文化アプローチを取り入れた政策実施)
(06)天然資源の保護と管理(宝石、鉱山、森林、石油、ガス、水資源)
(07)保健(保健サービスの標準化、人材育成、飲料水確保と衛生状況改善、栄養補給)
(08)帰国アフガン人の受け入れ体制整備(帰国アフガン人向けの小規模産業の開発、収入向上プロジェクトの実施)
(09)カブールの人口増大問題対策(住居、移民、雇用対策)
(10)農業・牧畜の活性化(土地改良と灌漑システム復旧、換金作物導入、牧畜を通じた収入向上、農業技術改善、土地改革)
(11) 地雷除去・平和構築(障害者・兵士の社会復帰、帰還民対策、和解促進、地域社会改善、海外のドナーへの支援呼びかけ、地雷敷設者からの情報収集)
 〈5〉結語
   アフガニスタンの復興には、子供、女性、障害者を社会のメインストリームに組み込むことを保証する、幅広いアプローチが必要である。また、全ての問題の根源となる貧困を解決することが緊要である。
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