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受益者へのインタビューによるアンケート調査分析 |
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(1)所有農地面積及び耕作地面積
各世帯の所有農地面積は0.5ha 〜24haと格差があり、平均農地面積は5.5haであった。また、実際に耕作している面積は0.25ha 〜8haで、平均耕作地面積は約3haであった。これは「ザ」国の小規模農家の標準耕作地面積(5ha未満)の範囲内にあたる。メイズの作付面積は、大雨による洪水被害のあった2000-2001年のシーズンが平均1.4haで、旱魃の被害を受けた2001-2002年のシーズンが平均1.3haであったが、普段の年は平均2.6haであることから、2年連続した異常気象の影響により、種子と肥料の調達が困難なものとなり、作付面積を縮小せざるを得なかったことが窺われる。 |
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(2)作付け形態
作物の作付け形態は、主食のメイズは全12世帯が栽培しており、その他に落花生、豆類(ササゲ、インゲン)、ソルガム、サツマイモを食用作物として、綿花、大豆、ヒマワリを換金用作物として栽培している。特に綿花を栽培している世帯は、綿生産会社との契約により所有農地で栽培し、現金収入を得ている。換金作物を除く食用作物は、余剰生産があれば販売や物々交換を行う年もあるようだが、基本的には自給食糧としての栽培である。播種時期は雨天栽培であることから、雨季の始まる11月〜12月に集中している。 |
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(3)メイズの施肥と収量
メイズ栽培は、1haに必要な施肥量(D-COMPOUND200kg、UREA200kg)を施した場合、標準平均収量は3.5〜3.7tである。しかしながら12世帯の内、通常の年は無施肥栽培を実施している農家が9世帯も存在し、1ha当たり平均が1.5t以内と低収量なのに対し、施肥栽培をしている世帯は1ha当たり平均3.2tの収量をあげている。但し「ザ」国では、本事業対象地区を含む小規模農家の殆どが、無施肥栽培若しくは必要施肥量以下で栽培を行っている現状にある。 |
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(4)穀物倉庫在庫量
調査した受益者12世帯は、1世帯を除き穀物倉庫を所有していたが、在庫は全く無しという状況であった。現在彼らは、援助による食糧、飼育家畜(肉や卵)、木の実やブッシュミート(野鼠等)等を採取狩猟した物を食し、飢えを凌いでいるとのことであった。現地配布調整協力者からの情報によると、受益者を含む農民の90%以上が穀物の在庫は無いとのことであった。 |
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(5)家畜
12世帯の内、11世帯が家畜を飼育していた。現地配布調整協力者からの情報によると、各地域の農民の殆どが何らかの家畜を飼育しており、食用目的以外に、販売や物々交換するなどをして現金、資材等を入手する貴重な財産になっているということであった。 |