〈1〉復興過程におけるアフガンNGOの主導的役割 |
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アフガンNGOの数は増加しつつあり、復興過程における彼らの役割は重要である。帰国アフガン人との連携、国際NGOとの ネットワーク構築、民間部門の活性化など復興期の課題にアフガンNGO自身が応えられることは多い。アフガンNGOは地 域の必要性にもとづいた復興計画を実施するなかで、外部者の指導ではなく支援を必要としている。 |
〈2〉復興計画の持続性と資金源の多様性 |
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復興計画の持続に必要なものは、一度の多大な支援ではなく、適正な規模の継続的な支援である。また多国間援助とともに二国間援助をもNGOが利用できるよう、資金源は多様でなければならない。 |
〈3〉政治的安定 |
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復興計画を円滑に実施するために、国際社会はアフガニスタンの政治的安定をはかる必要がある。 |
〈4〉支援政策決定の透明性 |
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アフガン人の意見を反映しない復興計画は不十分である。計画立案の前に、アフガンNGOが自らの手で復興計画に取り組めるよう地域社会に対する包括的な事前調査を行う必要がある。 |
〈5〉支援の「速さ」という「神話」 |
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アフガニスタンにおいては復興支援を迅速に開始することが求められている。しかし、「速さ」は時として有効な解決策とならない。地域社会の発展速度にみあうようにプログラムの実施計画を組み立てることが重要である。 |
〈6〉復興計画の規模 |
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人材、ニーズ調査、現存する制度等を考慮に入れて望ましい復興計画の規模を決定すべきである。 |
〈7〉「破綻国家」という現象 |
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緒方貞子氏の「アフガニスタンは世界から見捨てられてきた」との言葉は的をえている。国際社会から協力を絶たれた「破綻国家」が世界的に深刻な影響を与えることはアフガニスタンの事例からも明らかである。アフガン問題に取り組むことを通じて、「破綻国家」が生起する様ざま問題に対処する体制を整えるべきである。 |