-2004.01.14-
第12回常任委員会議事録

■日時: 平成16年1月14日(17:00〜20:00)
■場所: JPF事務局会議室
■出席: 評議員 外務省:城所 卓雄(渡邊正人評議員代理)、三菱財団:石崎  登、学識経験者:中村 安秀、PWJ:大西 健丞、WVJ:高瀬 一使徒
  評議会アドバイザー 日経新聞:原田 勝広、イオン:神尾 由恵、日本生命:木村  淳、前評議会議長:長 有紀枝
  評議会ゲスト 外務省:斎藤、学生ネットワーク:久永、多田羅、NGOユニット監事:大江、PWJ:山本、斉藤、永野、MeRU:深瀬、WVJ:三好、AAR:堀江、JEN:浅川、赤堀、NICCO:佐藤(電話出席)、BHN:福島 加賀美、SCJ:田沢、SVA:三宅・貴島
  評議会オブザーバー …HANDS:神谷
  事務局 …黒川・高松・細井・山元
  欠席 …評議員 日本経団連:中村 典夫
  座長 …石崎 登 氏

I.配布資料
(01)事務局:第11回常任委員会議事録(案)
(02)事務局:第12回常任委員会議事録(案)
(03)BHN:「イラン南東地震ICT支援」事業計画申請
(04)JEN:「イラン南東部地震緊急支援」事業計画申請
(05)NICCO:「イラン南東部地震被災者への支援物資配給事業」事業計画申請
(06)SVA:「イラン南東部地震被災者への緊急支援物資配給事業」事業計画申請
(07)WVJ:「イラン南東部地震緊急救援事業」事業計画申請
(08)SCJ:「バム地震緊急支援(医療システム緊急リハビリテーション)事業」事業計画申請
(09)PWJ:「イラク緊急支援事業2」収支報告(調査報告書)
(10)BHN:「アフガニスタン復興通信支援」事業実施報告書
(11)JEN:「アフガニスタン難民、避難民、並びに帰還民のための支援事業」事業実施報告書
(12)MeRU:「アフガン国内避難民支援事業」事業実施報告書
(13)NICCO:「アフガニスタン西部ヘラート州における教育・医療活動」事業実施報告書
(14)PWJ:「アフガニスタン・サリプル県機関支援事業」事業実施報告書
(15)SVA:「食糧困窮地域における食糧配布」事業実施報告書
(16)WVJ:「ヘラート州サイフィ学校校舎修築事業」事業実施報告書
(17)AAR:「アフガニスタン北部地震緊急支援事業」事業実施報告書
(18)日レ協:「アフガニスタン地震」初動調査報告書
(19)JEN:「ナハリン震災復興支援事業」期間延長申請
(20)中村(安)氏:地域研究コンソーシアムへの参加について
(21)マンデート・ガバナンス諮問委員会:JPFガバナンス強化策(試案)
(22)石崎氏:JPF財政再建委員会について
(23)事務局:イラン地震に対する民間(企業・団体)からの支援状況(確定分)
(24)事務局:JPF資金繰り見通しについて
(25)事務局:規定類の整備について
(26)事務局:認定NPO法人資格の申請について
(27)学生ネット:NGOアカデミー2004について
(28)アドラ・ジャパンPWJWVJ:リベリア情勢と支援の必要性について
II.定足数確認
  評議員定数6名のうち、出席評議員数5名をもって定足数を確認。
III.前回議事録承認
  第10回並びに第11回JPF常任委員会議事録承認。
IV.次回評議会開催日時
 平成15年度第13回評議会は、平成16年1月26日(月)午後3時よりJPF事務局会議室にて開催。
IV.議事
(1)審議・協議事項
(ア)  イラン南東部地震救援(復興)にかかる案件について、助成を申請した6団体より事業計画の内容が説明された。
1.BHN
 (1)被災者のための情報提供、ならびに被災者への心のケアとなる放送内容等を提供する仮設FM放送局の設置、(2)移動式の安否連絡電話サービス、(3)緊急通信用機材の寄贈を実施する。
2.JEN
 被災地で不足している簡易トイレ、シャワー施設、石鹸をはじめとする衛生キットの被災者への配布を実施する。
3.NICCO
 平成15年12月27日からの緊急支援物資配布事業に引き続き、衣料品や日用品の被災者への配布を実施する。
4.SVA
 (1)地震により遺児となった子どもたちは、バム市からケルマン州福祉局が管轄するケルマン市内の施設に送られるが、急激な子どもの数の増加に十分に対応できないため、保護されている子どもを対象に食糧や生活必需品の配布を実施する。
 (2)震災遺児も入所可能となる市内の受け入れ施設の修復工事への支援を実施する。
5.WVJ
 イラン赤新月社が管理している、被災者家族に対して世界から送られた支援物資の中に入っていない、靴ならびに下着類の配布を行なう。
6.SCJ
 被災地の生活環境改善ならびに復興に向け、(1)ベース調査と基礎保健医療教育の実施、(2)主要病院施設の緊急リハビリテーション(医療機器調達と施設の緊急修復)、(3)医療関係者へのトレーニング実施を行う。
 かかる説明を受け、全出席NGO団体一時退席による議論の上、JPFの政府供与資金残額の内4,000万円と民間資金に拠る助成対象事業を大枠、以下の通り決定した。なお、事務局は各助成対象団体と、承認された助成金額に準じた事業計画ならびに予算の調整を行ない、別途報告のこと。

1.BHNテレコム支援協議会
  事業名 :イラン南東地震ICT支援(仮設FM放送局)
  事業期間 :平成16年1月15日−平成16年3月31日
  承認金額 :約1,160万円
    ※申請事業内容(1)〜(3)のうち、本評議会では(1)仮設FM放送局への支援事業のみ、民間資金に拠る助成対象として承認された。
2.日本国際民間協力会
  事業名 :イラン南東部地震被災者への支援物資配給事業
  事業期間 :平成16年1月26日−平成16年3月25日
  承認金額 :約2,500万円
    ※助成申請金額の一部が政府供与資金に拠る助成対象として承認された。申請金額と助成承認金額との差額については、支援物資購入費の科目内で調整を行ない、対処する。
3.ワールド・ビジョン・ジャパン
  事業名 :イラン南東部地震緊急救援事業
  事業期間 :平成16年1月15日−平成16年2月29日
  承認金額 :約1,500万円
    ※助成申請金額の一部が政府供与資金による助成対象として承認された。申請金額と助成承認金額との差額については、WVJの判断で配布物資又は実施地域で調整を行なう。
 なお、本評議会で承認されなかった申請事業のうち、SVAの提案については、今後の民間資金の状況により再審議の対象とする。
 最小限の物的・人的資源で最大限の効果をあげるためには、現地の全体像を適切に把握し、実施事業を検討することが不可欠である。被災地で事業を実施しているNGOに対し、現地の細かい情報のみでなく、現地の状況、ニーズに関する包括的な情報、併せてJPFにとって何を実施することが望ましいかの見解を表明する旨が要請された。
 効果的な復興支援を実施していくためには、現地当局との適切な協力関係を構築していく必要性も議論された。
(イ)  PWJの「イラク緊急支援事業2」に関して収支報告がなされた。
(ウ)  アフガニスタン民間資金(寄付金)に拠る助成案件の事業報告について、各事業実施団体より現在終了した事業に関する事業実施報告書が提出され、承認された。
(エ)  JENより「ナハリン震災復興支援事業」の事業実施期間変更が申請され、承認された。
  (変更前)2002年11月01日〜2004年01月31日(15ヶ月間)
(変更後)2002年11月01日〜2004年06月30日(20ヶ月間)
 JENより、事務所から事業実施地への交通事情ならびに治安による移動の困難性や、不十分な通信整備状況のため、職員による実施地のモニタリングを円滑に行なう事ができず、今回の事業実施期間の延長に関する申請時期が遅くなったとの説明があった。一方、本来は審議を行なうに十分な時間的余裕を持って申請すべき旨要請された。
(オ)  「地域研究コンソーシアム設立準備委員会」への参加について中村(安)評議員より提案がなされた。地球規模の問題ならびに人道支援に関して様々なセクターとのネットワークを充実させる点でもその参加は意義深く、JPFの参加団体から2名がメンバーとなる旨承認された。
(カ)  マンデート・ガバナンス見直しについて諮問委員会大西委員長より、新しい組織構成と機能に関して説明。かかる組織構成の見直しについては、新たに組織を創設するよりも現行のNGOユニットの定款を変更し組織強化を図る方が早期に実行可能で現実的である旨の提案がなされた。この提案を受け、NGOユニットの臨時総会にて定款変更に関する提案、議決を行なう前に評議会を開催し、マンデート・ガバナンス見直しに関する議論を十分に深めておく旨が決定された。これにより、理事会にて決定された臨時総会の開催日時は延期されることが確認された。
(キ)  石崎評議員よりJPF財政再建委員会について報告された。
 事務局よりも平成15−16年度のJPFの資金繰り見通しについて報告された。JPF事務局の運営費については、期末(3月末)の繰越金が約590万円となり、短期見通しは改善されたが、引き続き来期(特に前半)の収入確保が焦点となる。NGO分担金の早期(4〜6月)の振込み、政府供与資金の管理費増、自治体・特定財団の助成金、新組織移行による賛助会費の確保、事務局家賃の一部免除等を実現していく必要がある旨が確認された。
(ク)  事務局より事務局内の運営に関する規定の設定について提案された。国内出張旅費規定に関しては、本日開催されたNGOユニット理事会にて、日帰り出張時の日当の有無、本規程が適用される出張地の範囲等についての記載の必要性が指摘され、若干の訂正が加えられる予定。海外出張旅費規定については承認された。
(2)報告事項
(ア)  第3期イラク助成案件について各支援実施団体より進捗状況が報告された。
1.PWJ:山本氏より報告。
  現在、安全規則に則り遠隔操作による事業を実施している。
  外務省より現地で国連職員が活動していれば、PWJ職員の現地活動も可能であるが、その際は事前連絡をする旨要望があった。
2.JEN:赤堀氏より報告。
  現在、国際職員(フランス人)が室長として活動を行なっている。事業の進捗状況については目立った遅れはない。
(イ)  NGOユニットの認定P法人資格の申請に関して、事務局より、現在、東京国税局との予備折衝を行っている段階であり、正式な申請手続きに入りたい旨の提案があり、了承された。
(ウ)  JPF・外務省共催セミナーの開催について、ワークショップでは、JPFが実施した事業をケーススタディとして取り上げる旨の説明がなされた。
(エ)  NGOアカデミー2004について学生ネット:久永氏より説明がなされた。今後、学生ネットの全国化や、企業とのコラボレーション構築も提案された。
(オ)  アドラ・ジャパンPWJWVJよりリベリアにおける支援の重要性ならびに出動に対する関心が表明された。同国での支援活動に関心のある他の団体は上記3団体のいずれかに連絡することとする。支援活動を実施するにあたっては、あらためて、各団体個別の事業として実施するか否か議論する必要があるが、治安面から実施団体合同の事業として行なうことが望ましい旨、提案があった。
以上

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