-2004.01.05- 第11回常任委員会議事録 |
■日時: | 平成16年1月5日(15:00〜17:00) | |
■場所: | JPF事務局会議室 | |
■出席: | 評議員 | …外務省:城所 卓雄(渡邊 正人 評議員代理)、日本経団連:長沢 恵美子(中村 典夫 評議員代理)、三菱財団:石崎 登、学識経験者:中村 安秀、PWJ:大西 健丞、WVJ:高瀬 一使徒 |
評議会アドバイザー | …日経新聞:原田 勝広 | |
評議会ゲスト | …外務省:斎藤、学生ネットワーク:久永、関根、小野原、PWJ:山本、AAR:堀江、JEN:木山、玉利、SVA:三宅、NICCO:佐藤(電話出席)、日本レスキュー協会:河合(電話出席)、BHN:福島 | |
評議会オブザーバー | …SCJ:田沢 | |
事務局 | …黒川・高松・細井・山元 | |
座長 | …石崎 登 氏 |
I.配布資料 (1)事務局:ジャパン・プラットフォーム プレスリリース (2)事務局:イラン南東部地震緊急支援関連プロポーザル・予算計画書 (3)PWJ:イラン南東部震災支援活動報告 |
II.定足数確認 評議員定数6名のうち、出席評議員数6名をもって定足数を確認。 |
III.次回評議会開催日時 平成15年度第12回評議会は、平成16年1月14日(水)午後5時よりJPF事務局会議室にて開催。 |
IV.議事 | ||||
(ア) | イラン南東部地震緊急支援にかかる助成について事務局より現時点における以下の承認案件5事業について報告。 1.BHNテレコム支援協議会 事業名 :イラン南東部地震緊急通信支援事業 事業期間:平成15年12月30日−平成16年1月20日 助成金額:9,984,000円 2.日本レスキュー協会 事業名 :イラン南東部大地震被災者救援事業 事業期間:平成15年12月27日−平成16年1月5日 助成金額:10,487,325円 3.日本国際民間協力会 事業名 :イラン南東部地震被災者への緊急支援物資配給事業 事業期間:平成15年12月27日−平成16年1月25日 助成金額:33,567,170円 4.ピース ウィンズ・ジャパン 事業名 :イラン南東部地震緊急支援事業 事業期間:平成15年12月27日−平成16年1月25日 助成金額:33,820,000円 5.ワールド・ビジョン・ジャパン 事業名 :イラン南東部地震緊急救援事業(初動調査) 事業期間:平成15年12月30日−平成16年1月13日 助成金額:917,500円 また、この度、事業申請が却下されたSVAならびにJENの2案件に関して、却下理由が述べられた。SVAの事業については、(1)事業内容が復興対応に近いものであり、今後の事態の変化を見極めた上で再検討すべきである点、(2)初動調査としては実施時期が遅すぎる点が挙げられた。JENの事業については、(1)緊急支援として活動を実施するのであれば早期に行なうべきで、初動調査としては活動時期が遅すぎる点、(2)現地におけるニーズも刻々と変わる状況の下、3ヶ月の事業は長期すぎる点、(3)JPFの現時点での政府供与資金の残額からすると、本事業計画の予算は事実上困難である点が挙げられた。 |
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(イ) | イラン南東部地震緊急支援にかかる募金活動について 事務局より、(株)イオン本社よりJPFのイラン南東部地震緊急支援活動に対する緊急支援金として1,000万円が寄付された旨の報告があった。また、平成15年12月30日よりイオングループ各社の全国の店舗および事業所において募金活動が実施されており、イオンのマッチング募金のため、店頭募金の金額により寄付金額の増額の可能性もありうる。 また、連合より100万円の寄付が決定されている旨、ならびに、平成15年12月31日時点での個人による寄付の合計金額が2,569,090円である旨も報告された。 |
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(ウ) | イラン南東部地震緊急支援の進捗状況について各支援実施団体より進捗状況が報告。 (1)PWJ:山本氏より報告。 支援実施地であるテント村は、イラン政府ではなく、PWJ、NICCOを含む6団体のコーディネーションチームによって管理されており、現在はテントの設営作業を行なっている。治安は比較的安定しているものの、現地では支援活動に関する情報が適切に届いていない。現時点ではPWJの日本人職員5名が活動中(ほか1名本日被災地入り予定)である。 (2)NICCO:佐藤氏より報告。 現在、上述のテント村で他のNGOと協力しながら、支援物資の調達ならびに配布を行なっている。BAFIAと相談の上、主として衣料品や下着を配布。現時点ではNICCOの日本人職員4名が活動中である。 現状としては、無償の物資配布を求めて被災していない村からも人が流入している。国連や赤十字等の活動に関しては、横のつながりに改善の余地がある。 (3)BHN:福島氏より報告。 現在、通信分野での支援に関しての調査を行なっているとともに、2ヵ所で無料電話サービスを実施している。一部は赤新月社の職員が支援活動のために使用している。申請時に挙げられていた無線通信網建設事業については、現地の状況に鑑み、実施を中止した。現時点では、BHNの日本人職員6名が活動中である。 (4)日本レスキュー協会:河合氏より報告。 日本人職員6名ならびに捜索犬3頭により救援活動が実施され、活動3日間で21遺体を発見し、現在は活動を終了し、帰国準備中である(1月6日帰国予定)。 (5)WVJ:高瀬氏より報告。 現在、WVJはWVパートナーシップの枠組みの中で活動しており、毛布や飲料水等の物資を配布しながら、現地調査も実施している。 承認事業内容は初動調査を目的としているが、配布事業の手伝いも当初から予想されていたことであり、当初の計画に含めるべきであった旨指摘あり。 |
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(エ) | 地震支援という緊急性の極めて高い支援に対する意志決定プロセスにお いて、この度のイラン地震対応は申請から承認までの時間を要しすぎており、迅速性の点から過去のJPFによるインド大地震支援事業実施時の教訓が生かされていない、との指摘があった(注)。改善策としては地震支援事業申請書のフォーマット化(PCのフォーマット化も望ましい)、決定システムの簡略化、JPFロゴの常備等が挙げられた。決定システムの簡略化については、申請受付に時間的期限を設けるのも一案であるが、その際、単に「早い者勝ち」にならないよう考慮する必要性も指摘された。 また、各NGOの事情で初動事業の提案が遅れるケースもあるので、初動 提案の締切は弾力的な運用が望ましい旨要望あり。 JPFのロゴは広報目的のみならず、現地社会へのアカウンタビリティを 高める目的においても不可欠であり、緊急時に支援実施団体が携帯し使用することが望ましいが、現状においては、常備用のロゴ作成に対する予算が認められていないため、政府供与資金内の支出として認めることが要請された。
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(オ) | 外務省より、イラン地震緊急支援活動に関する報道においてJPFとしてではなく、個別の団体名の活動として報道されている旨の指摘があったが、他方、一部報道ではJPFの活動として適切に報道されている旨、メディアによっては個別の団体名すら省略されている旨の説明も関係者よりなされた。 また、外務省より、現在、イラン側の支援アクターが不透明であり、現地ニーズ等がわかりにくい旨の指摘とともに、イラン被災地におけるニーズアセスメントや配布物資に対する分析を引き続き行ない、無駄なく最小の配布で最大の効果をあげられるよう要請があった。 |
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(カ) | 広報におけるホームページの活用について、資金(寄付金)の使途を明確にし、活動のアカウンタビリティを高め、より広く協力を仰いでいくためには、JPFならびに各活動実施団体のホームページの拡充をはかっていくことが望ましく、リンク設定先等を工夫するとともに、現地の活動報告を速やかに更新されていくことが求められた。 | |||
(キ) | 初動の事業としては、承認された上記5事業のみとし、今後は復興に向けた活動を検討することとすることが確認された。なお、今回、申請が却下された団体の事業計画においても、申請があれば再度、検討対象になる。 今後のイラン地震救援事業については、政府供与資金残額の約7,000万円のうち、約4-5,000万円と民間資金に拠り、対応する。1月14日の評議会において、各団体の提案を検討する。 |
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以上 |
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